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2006年04月04日

亀の豹変

亀の豹変

景気浮揚のために国債を大量増発して公共事業を増やしてきた結果、国内総生産(GDP)に対する国・地方の債務残高比率は、1999年度末で120%を超え、2005年3月にはGDP比率の140%を超える見通しとなっています。それなのになぜ円は高く、金利は上昇しないのでしょうか?
借金が多くて信用のない人がお金を借りようとすると当然金利は高いのが経済の常識です。

経済学でも政府が景気浮揚のために財政支出を増やすと、国債を増発しする為、市中金利を上昇させてしまう。この現象のことを「クラウディングアウト」と呼びます。

しかし、ここ数年間は、空前の財政赤字と、空前の低金利が仲良く共存した状態が続いています。その為、国債を大量に発行しても長期金利(10年物長期国債の利回り)は思ったほどは上昇しないのです。政府はこれをいいことに国債の増発を続けています。
特筆すべきことは、日本国債は外人投資家に投資先として無視され続けていることです。その結果、外人保有比率はわずか数%に過ぎません。したがって、日本の国債は、国内要因だけで動く特筆すべき債券なのです。また、外人による国債保有率が少ないことは逃げ足の早い資金が非常に少ないことになります。

「クラウディングアウト」の例外として、空前の財政赤字においても金利が上昇しない理論に「流動性の罠」というのがあります。この理論によると、民間の投資意欲が極端に細っている場合は、どんなに金利を下げても民間投資は回復せず貸出も伸びず金利は上昇しないという経済学の例外理論です。それは、どん底状態で国債の大量発行による財政赤字を増加させた程度では、金利の上昇は起きないと言うことです。今までの日本は経済学の例外であったほど酷いどん底経済が続いていたことになります。

ところが、ここにきて状況は少し変化してきています。民間設備投資主導の景気回復が鮮明になりつつあるからです。そうなると、「流動性の罠」は消えて「クラウディングアウト」の原則が復活する可能性があります。例外の原因が消えてしまえば、原則が復活するのは当然です。このまま財政赤字が解消されない事態が進行すると、債券市場(国債市場)は潜在的な金利上昇圧力(価格の暴落)にさらされることになるでしょう。

その時、逃げ足が遅いと思われた国内資金(亀)が豹変して一斉に国外への逃避資金に変化する可能性は高いと思われます。
米国経済も不安定ですが、分散投資は常に心掛けて下さい。

2004/9/3 CFP松井信夫

Posted by fpwim at 2006年04月04日 22:05
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